2020年代の国内コンシューマー市場は”大経済圏時代”へ
海外のデジタルディスラプターの脅威は声高に叫ばれてきたが、実はコンシューマー市場において、国産プレイヤーが本当に駆逐された例は多くない。今後、コンシューマービジネス全体を真っ向から潰してくるのは、国産のディスラプターである。なぜならば、彼らは日本の消費者の特性や行動を熟知しており、サービス提供に必要となる様々な企業とも連携しやすいからだ。ちなみに、GAFAが本気で日本に乗り込めば国産プレイヤーは駆逐されるのではないかといった議論もあるが、今のところ彼らにその兆候はあまり見られない。
国産ディスラプターの代表格が、独自の経済圏を創っている楽天等の『経済圏クリエイター』である。彼らはコンシューマー領域において、あらゆるサービスを揃えた連合体を加速度的に拡大・強化させている。日本でコンシューマー相手にビジネスを行う場合、彼らを無視して生き続ける企業は、ほぼいなくなるであろう。
そのようなうねりを起こす経済圏クリエイターの最有力候補として、ソフトバンク・楽天・au(KDDI)・ドコモの4社が挙げられるため、本連載では各社の頭文字を取ってSRADと呼びたい。「経済圏とは一体何なのか?」「なぜSRADが最有力で、彼らの戦場はどうなっていくのか?」について、第1回では概観する。