アイデアの秘訣は文殊の知恵
大川:以前から社内外の人とのコミュニケーションにおいて、会話の趣旨が不明確、主語がない人がいることに強く課題意識を持っていました。その中でGoogle社が公開しているテクニカルライティング(技術的な文章)の教育用資料を読み、テクニカルライティングには基本原則があることを知りました。すると、テクニカルライティングの基本原則は、コミュニケーションが上手な人とそうでない人の違いと共通点があることに気付いたのです。これが、今回のアイデアの種となりました。
――作品の魅力を教えてください
大川:テクニカルライティングだけでなく、他の活用分野にも応用が利くことです。このアイデアは、文章を採点するためにインプット用の文章の塊を用意する必要があります。このインプットとなる文章の塊を、特定業界に特化したものにすれば専門的なものが作れますし、小説の文章をベースにしたものにすれば国語の採点にも使えます。他にも綺麗なソースコードにすれば新人SE向けの研修でも使えるものになります。このように、様々な活用分野へ応用が可能なところが魅力です。
――アイデアを磨き上げるために、工夫したことを教えてください
吉田:最初は皆でアイデアを出し、良いものを磨いていこうと考えていました。しかし、それぞれがアイデアへ強い想いを持っていたため、すべてのアイデアを磨いていく方針にしたのです。応募したすべてのアイデアには共通した課題意識があります。社会には学校では習わないことが多くあるものの、学ぶ機会はOJTしかありません。そのOJTの機会もコロナによって少なくなっています。また、受講者・教育者双方へのフィードバックをどうすべきか、スポーツなど対面でないと教えられない場面はどうすべきか。このような共通した課題意識をチームで共有し、皆でアイデアを磨き上げました。
――アイデアを磨き上げるために、大事にしたことを教えてください
吉田:人のアイデアを決して否定しないことです。今回のチームは年齢も役職も関係なくフラットな関係を築くということを前提としていました。そのため、「否定しない」「全員で話す」をルールにしていました。皆で、良くなる意見だけを言い合うことで、チーム全体のモチベーション向上にもつながっています。