日本ディープラーニング協会での取り組みCDLEハッカソン2020受賞者インタビュー:ディープラーニングによるテクニカルライティング研修

日本ディープラーニング協会が主催する、『CDLEハッカソン2020』において、ベイカレント賞を受賞したAI TopRunner@CUBEの皆さん。作品「ディープラーニングによるテクニカルライティング研修」は、受講者が記述した文章をディープラーニングが採点及びアドバイスを行うことで論理的な文章力を養うという提案でした。本作品がどのようなきっかけでどのように生まれたのか、アイデア発想について尋ねます。
2020.12.10
左から石田亮祐さん、安孫子和之さん、松田達郎さん、遠藤啓太さん、大川満久さん、吉田勝洋さん

アイデアの秘訣は文殊の知恵

――まず、作品が生まれたきっかけを教えてください
大川:以前から社内外の人とのコミュニケーションにおいて、会話の趣旨が不明確、主語がない人がいることに強く課題意識を持っていました。その中でGoogle社が公開しているテクニカルライティング(技術的な文章)の教育用資料を読み、テクニカルライティングには基本原則があることを知りました。すると、テクニカルライティングの基本原則は、コミュニケーションが上手な人とそうでない人の違いと共通点があることに気付いたのです。これが、今回のアイデアの種となりました。

――作品の魅力を教えてください
大川:テクニカルライティングだけでなく、他の活用分野にも応用が利くことです。このアイデアは、文章を採点するためにインプット用の文章の塊を用意する必要があります。このインプットとなる文章の塊を、特定業界に特化したものにすれば専門的なものが作れますし、小説の文章をベースにしたものにすれば国語の採点にも使えます。他にも綺麗なソースコードにすれば新人SE向けの研修でも使えるものになります。このように、様々な活用分野へ応用が可能なところが魅力です。

――アイデアを磨き上げるために、工夫したことを教えてください
吉田:最初は皆でアイデアを出し、良いものを磨いていこうと考えていました。しかし、それぞれがアイデアへ強い想いを持っていたため、すべてのアイデアを磨いていく方針にしたのです。応募したすべてのアイデアには共通した課題意識があります。社会には学校では習わないことが多くあるものの、学ぶ機会はOJTしかありません。そのOJTの機会もコロナによって少なくなっています。また、受講者・教育者双方へのフィードバックをどうすべきか、スポーツなど対面でないと教えられない場面はどうすべきか。このような共通した課題意識をチームで共有し、皆でアイデアを磨き上げました。

――アイデアを磨き上げるために、大事にしたことを教えてください
吉田:人のアイデアを決して否定しないことです。今回のチームは年齢も役職も関係なくフラットな関係を築くということを前提としていました。そのため、「否定しない」「全員で話す」をルールにしていました。皆で、良くなる意見だけを言い合うことで、チーム全体のモチベーション向上にもつながっています。

有志が集まる社内活動でG検定/E資格へチャレンジ

――ディープラーニングに興味を持ち、G検定/E資格へのチャレンジに至った背景はなんでしょうか?
吉田:株式会社キューブシステムは、システムソリューションを提供する会社です。2018年末からAIやブロックチェーン、UI・UXなどを研究する「TopRunner」という社内活動が始まりました。「TopRunner」は社内公募で手を挙げたメンバーで構成されています。「TopRunner」の取組みでは、学習内容の検討や推進が全てメンバーに任されており、その中でG検定/E資格へのチャレンジを決意しました。

安孫子:AIが今後IT業界の仕事の中心になっていくと感じています。エンジニアとして、AIを得意領域にしたいと考え、「TopRunner」へ応募しました。今はAIを使って世の中を明るく出来るエンジニアを目指しています。
AIが今後仕事の中心になると思った背景は、社内で毎年開催されているコンベンションで、ごみ収集のAlexaスキルを見たことがきっかけです。そこからAIに興味を持ち、勉強する中で「今の生活を楽にするためにはAIを活用するべき」と考えるようになりました。

遠藤:もともと大学でAIを勉強していたのですが、就職後はAIの世界から離れていました。そのような時、「TopRunner」の公募を知り、再勉強を決意しました。私が大学生の時はAI関連の書籍もなく論文も海外のものばかりだったので、当時と比べAIへの注目度はかなり高まっているように感じます。

松田:今の業務をやるだけでいいのか? と疑問を抱いていた時、「TopRunner」の公募を知り応募しました。今は積極的に資格取得やセミナー参加をしています。最終的には、得た知識を業務にも活かしていけるように考えていきたいです。

石田:「AIって何?」という新しい技術への興味がありました。その中で「TopRunner」の公募を知り、勉強を始めるきっかけにしました。そこからG検定の勉強を進める中でディープラーニングがどのように使われているかを学び、今後この知識を業務に還元していきたいと考えています。

吉田:流通のお客様に対して、システムコンサルティングをする中で2017年ごろに「需要予測をやってみよう」という声が上がり、ソリューション導入から担当した経験があります。そのときに機械学習に需要を感じ、自己学習を始めていたことがきっかけです。

――今回ハッカソンに参加しようと決めたきっかけを教えてください。
石田:自分のアイデアを第三者に見てもらいたい、フィードバックをもらう機会を得たい、他の人のアイデアを覗いてみたい、という想いからハッカソンへの参加を決意しました。

吉田:「TopRunner」の活動は2年目に入りました。1年目は「そもそもディープラーニングとは?」といった基礎の勉強をし、2年目からは社外へのアプローチにチャレンジしてみようと考えていました。自分たちで勉強してきたことを試してみたいという想いが強くあり、ハッカソンへの参加を決意しました。

日々の習慣がグッドアイデア発想に繋がる

――情報をインプットする上で、大事にしていることを教えてください
安孫子:日々、「AIの技術」を調べて、大きな視点の気付きを得るようにしています。例えば、AIがパックマンというゲームを作ったという記事を見て、将来エンジニアの仕事がなくなる可能性を感じました。一方で、AIを開発する側になれば多くの仕事があることにも気付きました。このように、新しい情報を取り入れながら、大きい視点で物事を捉えるよう心がけています。目下の収益性よりも将来的にできたらよいことは何か、実現できるのかという目線を持っています。その中で実現できそうなものがあれば、まずやってみるようにしています。今は、受賞したテクニカルライティングの実装に挑戦しています。できる・できないの結果を先に考えるのではなく、少しでもできそうだと感じたものは“まずやる”ということを心がけています。

遠藤:興味ある事を1つ決め、それを調べ尽くすようにしています。仕事やカテゴリに捕らわれず、まずは興味を優先しています。また、興味が途切れないように、日々Excelで「何をやったか」を可視化するようにしています。朝の時間は自分事に時間を割くよう習慣づけています。

石田:G検定に合格すると招待されるSlackコミュニティがあります。そこで共有される情報を日々チェックし、刺激をもらっています。興味を持ったテーマについては自ら調べ深掘りをすることで視野を広げています。

松田:週に一度図書館に行き、集中できる環境で本を読むことを習慣づけています。ジャンルを問わず様々な本を読むことで視野を広げています。

安孫子:私の場合は本屋に行くことが多いです。ふらっと行き、ジャンルを問わず面白そうな本を購入し、インスピレーションを受けています。他にも動画などのコンテンツ視聴もしています。その中で得た気づきはアイデアメモにまとめる習慣を付けています。あとは「TopRunner」のメンバーと会話する中でも沢山気づきを得ています。

G検定は社会人の義務教育

――みなさんAI「TopRunner」をきっかけに本格的に勉強を始めたとのことですが、良かったと感じる点にはどのようなことがありますか?
松田:自分一人で勉強するには限界があると感じていた中で、チーム一丸となって取り組めることが良い点だと感じます。ハッカソンに応募したアイデアも、週末にオンラインで議論し合い、チーム全体でブラッシュアップしました。

遠藤:身近なシステムを見たときに、裏にAIが使われているだろうという判断が出来るようになりました。視野が広がったように感じます。

安孫子:「この画像データならこのAIのモデルかな」といったデータをモデリングし、形にするまでのプロセスを具現化できるようになりました。

――G検定/E資格を勉強して良かったと感じたことはありますか
安孫子:今E資格の勉強をしているのですが、その中で自然言語処理のアプリの作成をしました。その過程を通してデータの扱い方などをかなり具体的に学ぶことができました。また、実際に触ってみることの重要性も痛感しています。

石田:アイデアを出すときに、何ができて何ができないかがわかるようになりました。G検定の勉強を通して、技術を使った具体的なアイデアを考えられるようになっています。

――最後に、他のCDLEメンバーに向けてメッセージをお願いします
大川:CDLEハッカソンへのチャレンジを通して、一人よりも皆で考える方が良いと感じるようになりました。アイデアをブラッシュアップする際に他者の意見を聞くことで、より良いものになっていきます。特に今回のような限られた時間の中でアイデアを磨かなければならないときこそ、仲間の力が必要になると感じます。

安孫子:皆、G検定を取るべきだと思います。AIに関しての会話をするとき、G検定を取っている人とそうでない人では理解の差が大きいと感じます。今後、よりAIがスタンダードになっていくので、G検定の知識は社会人全員が持っておくべきだと考えています。

遠藤:G検定とE検定を取得したものの、その知識を活用する場所がないもどかしさがありましたが、CDLEハッカソンにチャレンジし、初めて勉強して良かったと感じました。今、資格を取得したのに使えないもどかしさを感じている人はぜひ次回のCDLEハッカソンに挑戦してほしいです。

松田: G検定はAIを広く学ぶために重要な資格ですので、AIを基礎から勉強したいと考えている人は是非挑戦してみてください。さらに深めたい、自分で作りたい、という人はE資格にチャレンジすることでよりステップアップできると思います。

石田:G検定は皆が勉強すべきです。私が勉強し始めたきっかけは、従来のJavaなどのプログラムでは到底実現できるとは思えなかった画像認識が出来るようになったことに凄さを感じたからです。そして勉強を進める中で、どんどん面白さを感じ、もっと深く機械学習やディープラーニングを知りたいと興味を持っています。

吉田:AIは人が人らしく生きるためのツールだと考えています。人口が減り、労働力が減っていく中でとにかく効率化が求められ、人が機械のように働くシーンも増えています。それをテクノロジーで置き換えるのがAIです。仕事で関わる流通業界でも本来やりたかったことに手が回らず機械的な業務を担っている人もいると聞きます。やりたいことに時間をさけるように、人が人らしく活躍する社会を実現するために、皆で知恵を絞って高め合えていけたらと思います。

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