コロナ禍におけるデジタル活用~今年のクリスマス商戦に向けて~コロナ禍で迎える2020年のクリスマス

2020.12.01

前例のないクリスマスだからこそ、一生の思い出に残るクリスマスを!

 前回お伝えした通り、コロナの影響が消費者に大きな影響を及ぼしていることによって、今年のクリスマスは多くの場面で去年と同じように過ごすことが出来なくなる。去年とは明らかに異なる前例のないクリスマスになるからこそ、一生の思い出に残るクリスマスを演出できるのであれば、ビジネスチャンスを掴めるかもしれない。つまり「ピンチはチャンス」ということだ。
 チャンスをつかむためには、デジタルを活用することが重要なカギとなる。なぜならば、デジタルはこれまで出来なかったことを出来るようにするものであり、上手く活用することで新たな価値を提供できるようになるからだ。
 また、もう一つ重要なカギとなるのが、「From This Year」の考えを持つことだ。コロナ禍で迎える前例のないクリスマスを、今年限りと捉えてビジネスを展開するのか、はたまた今年から続いていくビジネスとして長期目線で創り上げていくのか。この考え方の違いが明暗を分けていく可能性がある。
 「From This Year」の考えで取り組むためには、顧客データを集めるためにデジタル活用を検討していく必要があると言える。来年以降のビジネスでデータを生かしていくために、今年の取り組みを布石として検討していくことも重要な考え方となるだろう。

今年のクリスマスを盛り上げるポイント

 新型コロナウィルスの感染予防のため、物理的な接触が制限されている現状において、デジタルを使ったコミュニケーション機会を提供する類のサービスには勝機がある。拡大解釈すれば、これまでデジタルデバイスを使うことに抵抗があった消費者であっても、今ならデジタルの世界に引き込む最大のチャンスと捉えることもできる。 
 第1回で記載したコロナ禍における行動変化から考えていくことで、ビジネスチャンスの方向性が見えてくる。ボーナスの使い道がない、預貯金が増加傾向といった分析結果からは、お金が貯まった層に「単価を上げてでも高付加価値なサービスを提供する」という方針が効果を発揮しそうだ。また、有給休暇を消化できず、旅行などに行けないことでストレスが溜まっている人には、ストレスを発散できるサービスを提供すると良いだろう。
 サービスを検討するうえで重要な論点となるのが、クリスマスのどの場面で提供するかということだ。今回は主要な楽しみ方である4つの場面をピックアップした。
  • クリスマスディナーを食べる」
  • イルミネーションを見に行ったり、家を飾り付けたりする」
  • クリスマスプレゼントをあげる」
  • クリスマスパーティを開いて楽しむ」
 以上4つの場面の楽しみ方を、どこまで“今年ならではのサービス”に仕立てられるかが勝負となる。
 次に、“今年ならではのサービス”をいかに考えていくかだが、「コロナ禍で出来なくなったことの代替手段」という観点だけでは不十分と言える。この観点だけでは、ビジネスチャンスの可能性はかなり狭まってしまうからだ。
 例えば、「三密は NG だからソーシャルディスタンスを徹底しよう」、「マスクなしでは出歩けないからマスクを付けていても楽しめるような工夫を凝らそう」といった考えは容易に思いつきそうだが、これだけでは去年のクリスマスを超えることは難しい。
 そこで大切なのが、約半年間のコロナ禍の生活で得られた経験を生かし、新たな楽しみ方を探し出そうという観点である。例えばフードデリバリーやオンライン飲み会など、コロナ前には浸透していなかったことを多くの人々が経験した。この経験をプラスの要素として生かせれば、去年にはなかった価値に転換できるだろう。
 この考え方をもとに、ビジネスチャンスの可能性を探ってみたのが、下記の図である。「去年の代替手段」の観点だけだと可能性が少ないのに対し、「コロナ禍の経験を経て」の観点を持つことによって可能性が格段に広がることが見て取れる。

従来のクリスマス×今年のコロナ禍×デジタルで見出すビジネスチャンス

 上述したポイントを改めて整理すると、今年のビジネスチャンスをつかむポイントは“従来のクリスマスの楽しみ方”“今年のビジネスチャンス”を掛け算することである。そこに更に、新たな価値をもたらす“デジタル”を掛け合わせることによって、去年には無かった新たな楽しみ方を見出すことができる。
 そして、この方程式をクリスマスのどのシーンに適用していくかが次なる課題である。その道標として、まずは下記の図のように四象限で整理してみた。横軸は家の中で楽しむのか、街に繰り出して楽しむのかという違いで分けてみた。縦軸は室内で楽しむのか、屋外で楽しむのかである。
 こうやって四象限で整理してみると、主要なシーンとして「自宅、友人宅」、「飲食店、ホテル」、「外部イベント」の3つが浮き上がってきた。これらのシーンごとに、どんなビジネスチャンスが考えられそうかを検討してみたので、その内容を次回以降でお伝えしていく。
 次回の第3回では「自宅、友人宅」、第4回では「飲食店、ホテル」、第5回では「外部イベント」について、より具体的なビジネス案に言及していくので、ご興味のある方は是非、続きをご覧いただきたい。

チーフエバンジェリスト 八木 典裕

大手IT企業を経て現職。金融・製造・通信などの業界を中心に、IT 戦略立案から実行まで幅広く支援。直近は、DX、新規ビジネスの創造などをテーマとしたプロジェクトを主導。
ブロックチェーン、AIの技術研究や実証実験もリード。
主な著書に『デジタルトランスフォーメーション』『3ステップで実現するデジタルトランスフォーメーションの実際』『データレバレッジ経営』(共著/日経BP 社)などがある。

マネージャー 関口 夏葉

大学院卒業後、現職。金融、消費財、産業財、ハイテクなどの業界を中心に、DX、オペレーション改革、システム刷新などのテーマに従事。
クライアントと良好な関係を構築し、共創型でプロジェクトを推進することを得意としている。

デジタルマーケティング担当 金澤 佑依

大手小売店を経て現職。デジタル・イノベーション・ラボ所属。
金融、通信、ユーティリティなどの業界を中心に、オペレーション改善や新規事業立案といったデジタル関連テーマに従事。 デジタル・イノベーション・ラボでは国内外のデジタル事例調査・研究、ベイカレントのデジタルマーケティングを担当。

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