新規事業開発には“市場と呼吸する”ことが不可欠
世の中にモノが溢れている現代では、これまでの大量生産時代から多種生産時代、つまり消費者一人ひとりのニーズに寄り添う時代へと切り替わっている(※変化の中身は図1を参照)。そして、多種生産時代に重要視されているのがCX(顧客の体験価値)の向上。そのためには顧客のニーズをしっかり理解する必要がある。ただし、これが非常に難しい。なぜなら、顧客ニーズは非常に移ろいやすく、多様化しているためだ。
「顧客と同じ空気を吸って、気持ちを理解できた」と思っても、少し時間が経つと顧客は別の空気を吸いに行っていることが多々ある。私がこれまで支援してきた日本の大企業にも、顧客の気持ちを理解する、すなわち“市場と呼吸する”ことが非常に苦手な印象があった。