盛り上がりを見せるスリープテック市場
ただ、“人生100年時代”の到来で健康志向が強まる中、日本でも睡眠への関心は高まりつつある。 「睡眠負債」が流行語大賞トップ10に選出されたことからも、一般消費者に睡眠の重要性が浸透してきたことがわかる。
昨今、デジタルテクノロジーを活用したxTechという言葉があらゆる業界で使われているが、 “眠り”の領域でも例に漏れず、スリープテックが人々の睡眠の質を一気に向上させている。
実は、“眠り”の領域はデジタルテクノロジーとの相性が抜群に良いと言えるのだ。テクノロジーの助けを得れば、「体が冷えてきたから足元の気温を上げる」、「眠りが深くなってきたからリラックスできる音楽を流す」等、眠る人の潜在的なニーズを汲み取り、睡眠の質を高めるための打ち手を提供できる。このように、無意識の人間の状態を正しく把握し、適切なソリューションを提供できることこそ、スリープテックの真骨頂なのである。
スリープテックは今後ますます隆盛な市場となるだろう。なぜなら、人間誰もが睡眠に一定時間を割き、世界70億人全員がユーザーとなり得るからである。また、スリープテック市場は、米国の大手テック企業にも注目されている。例えば、Appleはベッドパット型の睡眠トラッカーを開発するBeddit社を買収し、Googleは睡眠の質を把握できるアクティビティトラッカーを開発するOura社に出資している。