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LINEひとり勝ち状態の日本で3キャリア発の「+メッセージ」が勝ち残る道とは?

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RCSサービスが密かに注目を集めている

2018年4月、docomo、KDDI、ソフトバンクの3キャリアが合同で「+メッセージ」というRCSアプリのリリースを発表した※1。第四のキャリアとなる楽天モバイルも自社回線向けに、RCSを含む「楽天Link(ベータ版)」を2020年1月から提供開始しており、キャリアサービスの本格展開における目玉の一つと位置付けている※2。また海外においては、既にGoogleがイギリスやアメリカなどにおいて、全Androidユーザー向けにキャリアフリーで利用できるRCSサービスの展開を進めている※3

RCSとは、Rich Communication Servicesの略で、グループチャットや既読通知、スタンプや大容量ファイルの送受信を可能としたメッセージサービスを指す。正にLINEをイメージすれば分かりやすいが、違いは電話番号をキーにメッセージのやり取りを行うという点で、SMSの代替と目されているものだ。

実際に使ってみると、スタンプがあることでSMSよりも気軽にメッセージが送れる。文字数やファイルサイズの上限も桁違いであるため、文章がぶつ切りになってしまう、写真や動画が送れないといったストレスが解消されていることも感じられる。

「+メッセージ」アプリのメッセージ画面

RCS普及の道は険しい!?

しかし、我々は既にLINEなどでコミュニケーションを取ることが当たり前になっている。その中で、このRCSが新たなメッセージチャネルとして普及するのは、なかなかイメージが付きづらいところではないだろうか。

事実、LINEのユーザー数は8,000万人以上いて、国民の大多数が利用しているといえる状況であるのに対し、冒頭で紹介した「+メッセージ」はようやく1500万人を突破したほどだ※4。現時点ではMVNOでは利用できないなどの課題もあり、一般的に認知・利用されているとは言い難いだろう。果たして、RCSがこれから消費者に広く普及していく道筋はあるのだろうか。

B2Cから攻める

おそらくRCSの勝ち筋はB2Cにある、と考えている。

現状、企業が顧客にアクセスするときは、顧客リストに登録されているメールアドレス、電話番号、住所等を使用することが一般的だ。そのため、eメール、電話、郵便、SMSといったチャネルを用いることとなる。しかし、これらの既存チャネルを利用する企業サイドは、既読率やコストの面で悩みを抱えていると考えられる。

比較してRCSでは、電話や郵便よりも早く安く、かつ既読率90%以上というSMSの特性※5を踏襲し、確実に届けたいメッセージをより分かりやすく伝えることができる。黎明期ゆえのリーチ力の低さについては、当面SMS併用で配信することにより、補うことが可能だ。

RCSの特徴を生かしたユースケースを生み出す

それではこのRCSをどのように活かせば良いだろうか。

まず既存チャネルの代替となり得るのは、個人宛の重要なお知らせだ。(括弧内は既存チャネル)

・​契約満期のお知らせ(紙媒体)
・請求額通知(紙媒体/メール/SMS)
・督促連絡(紙媒体/電話)     
   など

また、マス向けで緊急性・必読性の高い通知についても、RCSを活用することで、より確実にメッセージを到達させることができる。

・災害通知
・リコールや金銭払い戻し
・イベント中止や延期のお知らせ    
など

更には、ユーザーからの上りメッセージについても、RCSは新たな活用可能性を秘めている。

例えば、「+メッセージ」を活用した共通手続プラットフォーム構想というものが、既にプレスリリースとして発表されている※6。これは、各種金融機関の住所変更等の手続きを一度でまとめて実施することができるもので、企業間の共通マイページのような概念だ。端末と紐づき二段階認証が不要なRCSならではの特性を活かしたものだといえる。

デジタルメディアの公共インフラとなるための“お堅い要素”

一方、LINEも同様に電話番号をキーとした企業通知の配信が可能ではある。しかし、既に1万を超える企業アカウントが存在し、アカウントへのオプトイン(=友達登録)を前提とした広告配信が乱立する中で、一方通行の配信を解禁するのはハードルが高く、慎重姿勢を崩せていないのが現状だ。LINEはプライベートチャネルという印象も強いため、企業からの重要な通知が混ざってきたり、個人情報を入力したりすることに対するユーザーの抵抗感もあるだろう。

そこに、RCSがキャリア連合サービス、広告配信なし※7といった信頼性を強みとし、いわゆる“お堅い要素”を持ったチャネルとして差別化を行う余地があるのではないだろうか。特に個人情報を扱うような事務手続きは、まだまだ対面や郵便等のリアルチャネルに依存しており、ここのデジタル化はそろそろ避けては通れない急務な課題となってきている。

RCSならば近い将来その役割を担うことができるのではないか。そしてデジタルメディア領域における、公共性の高い共通インフラとしての地位を確立できるのではないかと期待している。

執筆者 Profile

マネージャー吉田 健

専門分野
事業企画、サービス企画、BPR、IT統制・ガバナンス

デジタル・イノベーション・ラボ所属。
主に保険・金融を中心に、IT、デジタルを活用したサービス企画・導入支援、オペレーション改善等に従事。

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