デジタルトーク

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2019.06.19

ハイテク Star Warsはどこまで近づいたのか

人間の想像はどれだけ現実になるのか

2018年9月、ZOZOTOWNの前澤社長がSpace Xでの宇宙旅行を予約したニュースが世の中を駆け巡った。宇宙は遠い世界だったのが、どんどん身近になってきている。皆さんは、宇宙と聞いて何を思い浮かべるだろうか。

私が真っ先に思い浮かべるのは、大好きな映画Star Warsに登場する魅力的な星々。自然が美しいナブー、未来的な都市が象徴的なコルサント、水に覆われたクローン産業の惑星であるカミーノ…。

そんな星々、その他の登場するキャラクター達、ストーリーを彩るテクノロジーも、あくまでも物語の中。しかし、「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」との言葉もある。どうしても現実になることを期待してしまうのは私だけだろうか。

第1作(Episode4)「新たなる希望」が公開された1977年から既に40年以上が経過した今、Star Warsの世界観がどれだけ実現に近づいてきているのか。代表的なもの・個人的に印象深いものをいくつかピックアップしてみたい。
  • R2-D2
  • C3PO
  • ミレニアム・ファルコン

皆さん、現実に近いものはどれだと思いますか?

R2-D2

R2-D2には様々な機能が搭載されている。すべての面を検証するのは難しいので、特徴的な部分に絞って考えたい。

R2-D2により映し出される「Help me, Obi-Wan Kenobi. You’re my only hope.」というレイア姫の映像。Episode4の印象的なシーンである。R2-D2から出た光は空中に3Dの像を結んでいる。

これは「ホログラム」と呼ばれる技術である。ここでの「ホログラム」は、媒体を必要とせずに動く3Dの映像を指している。残念ながら、ホログラムはまだ実現されていない。総務省の「2030年以降へのICTビジョン」では2025年に実現となっており、近い将来には実現されるとみられているようだ。

現在でも、ホログラムに近い技術は実現されている。その1つは、LEDライトが並べられた板が高速回転することで、あたかも空中に映像があるように見えるもの。背景も見えるがLEDの光による映像も見える状態となる為、そのように錯覚させられる。
また、偏光ガラスの反射を利用して空中に映像があるように見せるものもある。これらは、動く3D映像にはなっているものの、「何もない空間」という要件は達成できていない。

とはいえ、実際に見てみると、かなりのインパクトがある技術であり、Star Warsの世界観に近いものを感じることができる。

C3PO

金色のボディで、ぎこちない歩き方をする、R2D2の相方のような存在。C3POは、シリーズの全作を通じて、登場している。とにかくよくしゃべるドロイドとのイメージだが、儀礼・通訳用のプロトコル・ドロイドで600万にも渡る言語を操るという特徴を持つ。

元々は、後のダース・ベーダーとなるアナキン・スカイウォーカーが母親の負担が少しでも軽くなるようにという思いから、手伝い用に組み立てたもの。C3POを構成する技術としては、ソフト面を支えるAIとハード面を支えるロボティクスである。

ソフト面は、通訳という点に絞れば、かなり近づきつつある。ご存知の通り、情報量が多い言語であれば、単なる翻訳はかなりの精度で実現できている。しかし、言語の数はまだ限定的であるし、あのような(たどたどしさを感じさせつつも、)滑らかなコミュニケーションの実現はもう少し先となるであろう。

ハード面でも、ヒューマノイド型のロボット技術もかなり進歩しており、近づきつつある。多少の妨害が入っても立て直せるし、不安定な地面もあるけるようになってきている。

しかし、非常に夢のない話であるが、現状はバッテリーが最大のネックになりそうである。彼らのような長時間の稼働を支える軽量バッテリーは現状なく、かなりのブレークスルーが必要であろう。

ミレニアム・ファルコン

ハン・ソロが操るスペースシップ。最新作のEpisode8では主人公のレイの元で登場する。Star Wars作品に登場するスペースシップの特徴といえば、ハイパードライブであろう。移動先までの座標計算を行い、ハイパースペースへと突入し、超高速で目的地まで移動させる技術である。

これは、冒頭で触れたように、ようやく宇宙への距離が身近になった時点であり、実現はかなり先の話である。

現在のテクノロジーの延長線上で実現できそうなのは、座標計算であるが、惑星間の膨大な情報を処理し、最適な飛行ルートを瞬時に計算するには、量子コンピューターレベルは必須であろう。

デジタル・テクノロジーで世の中にインパクトを

テクノロジーの活用による、新規事業創出・CX改善・業務効率化などは、どの企業も取り組んでいるテーマである。日々の仕事の中では、実現性を重視し、どうしても短期目線で物事を語ることが多くなる。

また、デジタルトランスフォーメーション自体が目的化してしまい、テクノロジーが本来的に持つ価値・素晴らしさを忘れてしまいがちである。

しかし、大きなビジョンを抱いてこそ、始めて革新的なことが実現できることも忘れてはならない。目指すべき姿があれば、自然とその先にも進んでいくし、進まないという判断も明確に下せることができる。そうすれば、PoCの先に進まないといったような現在の事態は少なくなっていくはずである。

また、実現には執念が必要である。新しいことの実現は、すぐには達成できない。

そして、一見うまくいかなそうな時にも、知恵を絞れば、何らかうまくいく道が拓けることは多い。そのベースは執念にあると考えており、それを活かし、成功するまで挑戦するといった姿勢が重要ではないか。ROIが一見合わなそうな時も、単なる数値遊びではなく、こうやったら投資が削減できるのではないかと、何度も考えながら、ユースケースを磨いていく。このような取り組みの先に、テクノロジー活用の成功が待っている。

最近はややデジタル疲れのような傾向が見え始めているのではないかとも思うが、私自身は子供の頃から抱いているワクワクする心を大切に、新しいデジタル・テクノロジーの実現・活用を今後も支援したいと考えているし、皆様にも大きなモチベーションと実現するという気概を持って取り組んでいただき、ともに成功を勝ち取りたい。

シニアマネージャー 桑畑 卓弥

東京大学大学院 工学系研究科を卒業後、大手シンクタンクを経て、2013年度入社。
ハイテク・ユーティリティ・金融・消費財等の幅広い業種において、事業戦略、マーケティング戦略、M&A・組織改革、実行支援まで、豊富なプロジェクト経験を有する。