デジタルトーク

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2018.01.09

共通 ビッグデータ時代のスマホは“スマート”なままでいられるか?

急増するデータ

 動画を撮る、Twitterでつぶやく、ネットで買い物をする。こうした行動はすべてデータとして蓄積され、企業のマーケティングや金融サービスなどに活用される。スマートフォンのデータ容量が一杯になってしまい、買い替えの時に大きな容量のモデルを選ぶという経験をした人は多いのではないか。誰もがデジタルデバイスを使う時代になり、データ量は大きく増加した。

 データ量の伸びは加速度的に成長している。運転をする、気温が変化する、息をする。IoTの本格的な浸透により、今まで扱われなかったようなデータが蓄積されるようになってきたからだ。世界で扱われるデータは、2010年に1兆ギガであったが、2020年には40兆ギガになると予測されており、毎年1.5倍の成長ペースで増加し続け、10年で40倍になる。

CPU、ストレージ、通信も進化する

 これに伴い、デジタルデバイスに求められる性能は高まっており、CPUやストレージ、通信の性能は、年間約1.3倍のペースで進化している。よく知られているのは、「ムーアの法則」だ。半導体の集積率は18か月で2倍になるという論文が発表されて以来、半導体はこの法則に従って進化してきた。

 ストレージはハードディスクの進化や、SSDの登場によりさらに進化し、通信は5Gの導入が目前に迫っている。ビッグデータ時代でも、十分な処理ができ、データを使いこなした新たなサービスが生まれる環境は整っている。

電池の進化に期待

 一方、電池の進化は少し見劣りしてしまう。この10年で2倍の容量になると予測されており、年間+7%のペースだ。電池は、ニッカド電池からリチウムイオンに転換して以来、大きな変化が生まれていない。容量の進化は主に、安全を担保しながらどれだけ材料を高密度に内蔵できるかという、製造技術の進化によって担われてきた。

 現在のスマートフォンの内部を見ると、電池の大きさはほかのデバイスに比べて驚くほど大きい。ほぼ半分の面積を占める大きさだ。現在のスマートフォンの大きさは、電池によって規定されているといっても過言ではない。
 今後様々なデータを使いこなすサービスを、スマートフォン上で実現する場合、CPU、ストレージ、通信は高い性能が求められる。従来の性能を前提にすると、電池も高容量が必要となり、スマホ自身が辞書のように分厚いものになることになってしまう。高性能でコンパクトな電池の開発に期待したい。

エグゼクティブ・パートナー 藤川 正徳

東京大学大学院卒業後、ボストン コンサルティング グループ等を経て現職。
金融・消費財・流通を中心に、成長戦略、営業戦略、PMIなど多数のプロジェクトに従事。
共著書に「デジタルトランスフォーメーション」。