デジタルトーク

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2018.03.06

運輸 日本は「従来タクシー」のままでいいのか(前編)

丁寧で快適だが、利用者を選ぶ日本のタクシー

羽田空港国際線ターミナルからタクシーに乗る。自宅まで20〜30分の距離だが、やはり乗り心地の良い日本のタクシーは素晴らしいと感じる。「ああ、日本に帰ってきたんだ」と緊張感がほぐれる。日本のタクシーは常に清潔で、運転の仕方も丁寧で、サービスの品質はピカイチに感じることが多い。
 
一方で、アメリカから帰国をすると、その違いに驚く部分もある。まず、料金が高く感じる。中長距離だといくら掛かるか心配になり、ついついメーターを気にしてしまう。一般的に成田空港から東京都心地までタクシーに乗れる人は少ない。観光客も知らずに間違えてタクシーに乗ってしまうと、後で金額にOMG(Oh my God!)と驚くことになる。決済手段が限られていることもある。

道順をイチイチ聞かれるのも面倒だ、ドライバーに行き方を尋ねられると、「丁寧なのはわかるけど勝手に行ってくれ」と言いたくなる場合もある。必ず細かい道筋まで聞いてくるので別のことに集中できなくなる。丁寧すぎるのか、運転手がリスクを下げたがっているのか、接客サービスが必ずしも優れているとは言えない。

日本のタクシーの割高具合は世界有数

日本の従来型タクシーと世界の現状との違いを知るため、調べてみることにした。トリップアドバイザーが以前行った調査によれば、東京はアムステルダムに続いて二番目にタクシー料金が高い場所とのこと。1000円で走行可能な距離は約2.9キロメートルだ。更に物価や所得に対しての購買力で1kmあたりのタクシーの値段を比較すると以下のような順位づけになる。トップ10位に日本はランクインし、発展途上の都市カイロ(エジプト)を除けば、ローマ、ベルリン、ロンドンといった先進国の都市の中で東京は「最も値段の高い場所」ということになる。

各国で台頭するディスラプターの存在

さらに諸外国の実情を見ていくと、主にアメリカや中国では、タクシー以外の「疑似タクシーサービス」がこの老舗業界を破壊(Disrupt)していることがわかる。アメリカではウーバー(Uber)とリフト(Lyft)、中国では滴滴出行や易到などだ。
 一方で、日本ではシロタクの厳重な規制によって(まだ)守られているが・・・(後編に続く)

エグゼクティブ・パートナー 服部 周作

戦略系コンサルティング会社、スタートアップ企業を経て現職。
ハイテク、自動車、通信、製造の各業界において、事業戦略の立案、新規事業の立ち上げ等のプロジェクトに従事。グローバルにおけるガバナンス強化、人材育成などの海外案件を得意とする。
著書に『47原則-世界で一番仕事ができる人達はどこで差をつけているのか』、共著『デジタルトランスフォーメーションの実際』。