ビットコインはサブプライムローンの再来か
昨晩も海外から来日した資産家で、リーマンショックの前はリーマンでトレーダーをしていた方と食事をしたので、ビットコインについて聞いてみた。すると、「最近アジアではタクシー運転手やスーパーの店員が買っているようだから、もうバブル感はヤバイね。勝ち組はもう抜けている」というような回答が即座に返ってきた。マーケットのことを知らない人たちが手を出した挙げ句、破綻をしたサブプライムのことを、想起していたのかもしれない。
サブプライムローンについての過去のメディア記事を探っていく中で、見えてきたのは「誰も、何も、予測できていない」という共通の呼びかけ。記事の執筆者たちの大半は懸念の声を大にし、警告し、バブルの兆候を知らせていた。サブプライムローンとビットコイン。時とテーマは違えども、同じ話が連呼されるだけだ。
遡ること6年半。2011年5月、International Herald Tribuneによる最初の報道は、ビットコインについて、こう書いていた。
“This abstract gold may not survive what looks like a bubble…The latest run-up looks decidedly frothy,” と言い、今日の出来事でもコメントをしているかのような響きだ。
(日訳:「バブルのように見える今の現象をこの抽象的な金‐キン‐(ビットコインのこと)は生き残っていけないのではないだろうか。最新の盛り上がりかたも明らかにバブル/くだらない」)
当時のビットコインの価格は約USD9ドル程度。その2か月前に比べ9倍に跳ね上がっていた。「あ~買っておけばよかった!」は抜きにして、この上昇気流、いつまで続くのか。
天翔る龍の如し、などと表現をしてしまうと夢見がちな気分に陥りそうではあるが、値の上がり方が「夢のよう」なのか「異常」なのかをしっかり見極める必要はある。私はそう考えている。